図説:東北の稲作と冷害

活着期から分げつ期の水管理のポイント


活着期から分げつ期における水管理のポイントは、寒冷地では有効分げつ数をいかに早く確保するかである。そのためには、湛水された水田土壌の特徴を活かすことがポイントである。

活着期から分げつ期の水管理のポイント


分げつとは、主茎や各茎にある各節の葉腋から、栄養生長期間中に発生する分枝である。主茎の第5葉(不完全葉を第1葉として数えた場合、以下同様)が出葉する時、第2葉の葉腋から分げつの第1葉がでる。同様に、第6葉が出るときには、第3葉の葉腋から第1葉が現れる。このように、第n葉と(n−3)葉の葉腋から現れる分げつの第1葉とは同伸的に生長する。
さて、活着期から分げつ期の水管理のポイントは、水温地温を高めて生育を促進し、穂となる分げつをいかに早期に確保するかにある。その基礎には、湛水された水田土壌の有利な面をいかに引き出すかがポイントとなる。
分げつの発生は、稲体の栄養状態、光合成による炭水化物の供給量、日射と温度条件などに影響され、土壌の窒素やリン酸の欠乏で強く阻害される。
この時期の冷温障害の原因としては、地温・水温が低いことによる根の養分吸収の低下や日照不足による光合成作用の遅滞などが考えられる。
水温の低下が水稲根の養分吸収をどの程度低下させるか。また、低下の程度は養分の種類によってどのように違うのか。下図は、生育初期の冷温が養分吸収に及ぼす影響を例示したものである。
土壌温度がイネの養分吸収に及ぼす影響
このように、冷温は呼吸速度を低下させて養分吸収を抑制する。養分吸収の低下率はリン酸やアンモニア態窒素で著しいことが分かる。
したがって、この時期の水管理は、水田土壌の有利な面をいかに引き出して、水稲の生育を促進するかが重要となる。

質 問:湛水された水田土壌の有利な面とは何ですか。

 
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