図説:東北の稲作と冷害

平成5年冷害の実態


平成5年東北では、収量が304kg、作況指数は56で、昭和51年、55年の冷害の水準を大きく下回る未曾有の大冷害となった。その被害の実態を紹介する。

平成5年冷害の実態

平成5年には全国的に異常気象が頻発し、東北・北海道の大冷害、九州の台風、大雨などの被害により、稲作の全国作況指数が74という近年にない水準まで低下した。特に東北では、収量が304kg、作況指数は56で、昭和51年、55年の冷害の水準を大きく下回る未曾有の大冷害となった。最終作況指数は、青森県28、岩手県30、宮城県37、秋田県83、山形県79、福島県61であった。水稲の被害額は東北地域では4,690億円に達した。
平成5年の気象経過を盛岡を例として図に示す。
1993年気温推移図(盛岡)

5月:上旬は寒気が南下し低温寡照、下旬は移動性高気圧に覆われ比較的晴れの日が多かった。
6月:上旬はオホーツク海高気圧の影響で曇雨天が多く、3〜4日は日本海低気圧の発達により大雨となった。中旬は梅雨前線が北上、活発化した。下旬は比較的安定した天気であった。
7月:中旬以降オホーツク海高気圧の勢力が強まり、著しい低温と日照不足が続いた。真夏日はなく月平均気温は観測史上最も低かった。
8月:オホーツク海高気圧が勢力を強め、著しい低温と日照不足となった。下旬は太平洋高気圧が張り出し、気温は平年並みに戻ったが、真夏日は1日出現したのみであった。
9月:上旬は北高型になり、気温は低く、また台風13、14号の影響で大雨となった。19日以降最低気温が10度を下回り、下旬は低温となった。
10月:気温は平年並み、雨は少なく、特に中旬は移動性高気圧に覆われ晴れの日が多かった。15日に盛岡で初霜・初氷、28日に平地で氷点下を記録した。
梅雨入りは6月3日で観測史上最も早く、梅雨明けは観測史上初めて特定されなかった。
このように、稲の収量成立上最も重要な7月から8月中旬まで著しい低温と日照不足に見舞われ、障害型と遅延型の複合冷害となり、またいもち病も大発生した。

参考図降水量推移図 ・ 日照時間推移図
    気温偏差図 ・ 降水量偏差図 ・ 日照時間偏差図

1993年収量の実態
被害の実態を図に示す。この図は過去7年間の市町村収量を基に、最大値と最小値を除いた5年間の平均収量を平年値と仮定して、それに対する差(10アール当たり減収量)と割合(作柄指標、%)で図示したものである。
冷害危険度地帯別に被害の実態をみると、下表の通りである。
地帯区分作付面積(ha)作柄指標(%)減収量(kg/10a)
109,843 47253
 50,219 48318
109,639 81105
 39,981 10480
 96,625 89 64
 16,719 12365
112,991 43299
  8,523  0420


 
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